競売になっている不動産に競売を申し立てる

タイトルが何を言っているか分からない人がほとんどだと思いますが・・・・・
ある土地について、債権者Aが仮差押えを登記し、訴訟により勝訴し、判決を取得して、それをもって、競売の申請(差押)をしたとします。
※ちなみに競売を裁判所に申請したとは言わないんですね。申立てるって言います。

申立=当事者が裁判所に対して,一定の訴訟行為を要求すること。申請または申し出と性質上の差異はない。

実は、その土地の所有権者に対しては、債権者Bという人もいるのですが、その人も、競売の申立てができるのです。
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Aという人が競売を申し立てているのに、Bという人が競売を申し立てても、裁判所で受け付けれくれないかと思いましたが、そうではないようです。
これを専門用語では「二重競売」というそうです。(追っかけ競売という俗語もあるようです。)
なぜこんなことをするかというと、Bの立場に立つと、土地の所有権者がAに弁済するか、話をつけてしまって、差し押さえを取消ししたのちに、土地の所有権者が、誰かにその土地を売ってしまわれては、Bには1円も入ってこない可能性があるからです。
もちろん、後から競売の申立てをしたBの方の競売は、先行したAの競売が取り消されない限り、有効とはなりません。
分かりやすく言えば差し押さえ解除対策として取られている措置が二重競売であると言えるでしょう。
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具体例をお話します。
土地所有者 X氏
X氏にお金を貸している人 A氏100万円 B氏50万円
土地の処分価格 150万円
A氏はお金を返してもらえないので、裁判をし、判決を取り、X氏の不動産を競売申立しました。
B氏としては、債権があることを主張し、競売がそのまま進めば、50万円全額ではなくても、かなりの金額が裁判所から回収できる予定でした。
しかしX氏はA氏を説き伏せ、100万円返すので、競売を取り下げるようにさせ、A氏が取り下げたのを見計らって、土地の所有権を息子のYに、登記してしまったとします。
B氏からすれば、X氏の最後の財産がなければ、X氏から1円も回収できず、X氏は息子に土地を譲れてしまうといったことも起こりかねません。
なんだかなあ。なことが起こるわけです。
これを防ぐために、A氏が競売を申立てていても、B氏も競売を申し立てられるのだそうです。
めんどうくさいですけど、必要な時には必要な手段ですね。はい。

法律

Posted by ymo