「日本はみんなで貧しくなればいい」こういうネガティブなタイトルは私は好きです。

2021年3月17日

全文については、いずれ消えていくと思うので、コピペします。

 


◆平等に貧しくなろう 社会学者・東京大名誉教授 上野千鶴子さん
日本は今、転機だと思います。最大の要因は人口構造の変化です。安倍(晋三)さんは人口一億人規模の維持、希望出生率一・八の実現を言いますが、社会学的にみるとあらゆるエビデンス(証拠)がそれは不可能と告げています。
人口を維持する方法は二つあります。一つは自然増で、もう一つは社会増。自然増はもう見込めません。泣いてもわめいても子どもは増えません。人口を維持するには社会増しかない、つまり移民の受け入れです。
日本はこの先どうするのか。移民を入れて活力ある社会をつくる一方、社会的不公正と抑圧と治安悪化に苦しむ国にするのか、難民を含めて外国人に門戸を閉ざし、このままゆっくり衰退していくのか。どちらかを選ぶ分岐点に立たされています。
移民政策について言うと、私は客観的に無理、主観的にはやめた方がいいと思っています。
客観的には、日本は労働開国にかじを切ろうとしたさなかに世界的な排外主義の波にぶつかってしまった。大量の移民の受け入れなど不可能です。
主観的な観測としては、移民は日本にとってツケが大き過ぎる。トランプ米大統領は「アメリカ・ファースト」と言いましたが、日本は「ニッポン・オンリー」の国。単一民族神話が信じられてきた。日本人は多文化共生に耐えられないでしょう。
だとしたら、日本は人口減少と衰退を引き受けるべきです。平和に衰退していく社会のモデルになればいい。一億人維持とか、国内総生産(GDP)六百兆円とかの妄想は捨てて、現実に向き合う。ただ、上り坂より下り坂は難しい。どう犠牲者を出さずに軟着陸するか。日本の場合、みんな平等に、緩やかに貧しくなっていけばいい。国民負担率を増やし、再分配機能を強化する。つまり社会民主主義的な方向です。ところが、日本には本当の社会民主政党がない。
日本の希望はNPOなどの「協」セクターにあると思っています。NPOはさまざまな分野で問題解決の事業モデルをつくってきました。私は「制度を動かすのは人」が持論ですが、人材が育ってきています。
「国のかたち」を問う憲法改正論議についても、私はあまり心配していない。国会前のデモを通じて立憲主義の理解が広がりました。日本の市民社会はそれだけの厚みを持ってきています。
(聞き手・大森雅弥)
<うえの・ちづこ> 1948年、富山県生まれ。認定NPO法人「ウィメンズ アクション ネットワーク」理事長。『ケアの社会学』『おひとりさまの老後』など著書多数。近著は『時局発言!』(WAVE出版)。

情報源:この国のかたち 3人の論者に聞く 2017/2/11 紙面から(2020/6/1 リンク切れ)

これについて、かなり叩かれている模様。

情報源: 上野千鶴子「日本人は多文化共生に耐えられないから移民を入れるのは無理。平等に貧しくなろう」 – Togetterまとめ

情報源: 「日本はみんなで貧しくなればいい」上野千鶴子氏の発言は何が問題なのか (THE PAGE) – Yahoo!ニュース(2021/3/17リンク切れ)

確かにみんなが批判していることは理解できる。

でもこうでも言って、物議を醸さないと、何も動かないのではないかと、個人的には思う。

そもそも批判している人も、今の日本人が豊かかどうか、世代間の格差も無視している、移民にしたってどうするかについての公の議論がいまいちはっきりしない、何もかもはっきりしない現状を考えれば、この上野さんの言っていることは、正しいかどうかは別として、議論の発端になる発言にはなると思うのである。

尚、この上野千鶴子なら人のバックボーン、これまでの活動やこれまでの言論は、全て無視していますので、その辺についておかしいという話については、それを知っている人達に任せます。

繰り返しになりますが、

①人口をどうするかについての社会的コンセンサスはあるのか?

統計的に人口が減少しているのははっきりしてますよね。

それについて、人口を増やしていくのか、そしてどうやって増やしていくのかと言った議論はどこでなされているのでしょうか?

この上野氏の言っていることを暴言だという人達はその辺のことは理解されているのでしょうか?


②日本の移民政策については今後どうしていくのかという社会的コンセンサスはあるのか?

これも同じです。

 

とにかくこうしたことについての議論が、日本においてはまだまだ不十分というか、ほとんどなされていないで、なぜ上野氏の考えが、もろ否定されるのか、意味が分かりません。

上野氏が言っているのは、①人口減 ②移民無理 ③緩やかな後退 という3点です。

私には、反対している人は、それぞれそう思っているだけのような気がしてなりません。

現在、人口増に向けた取り組みが本気でなされていると思っている人がどれだけいるのでしょうか?
昨年の流行語大賞で「保育園落ちた日本死ね」が入賞する位ですから・・・・・

保育園作ろうとしたら近隣住民の反対で出来なくなるのがニュースになる位の状態ですよ。


また、移民を増やしていこうと本当に思っている人たちがどれくらいいるのでしょうか?

確かに実質的外国人の数は増えているかもしれませんが、それを政策的に実施しているという話は聞いたことはありません。

更には、現実には失われた20年とか言っているわけで、日本が長期に緩やかに衰退していることは、多くの人が認めている所です。

こんな状況で、この上野氏の発言を真っ向から否定する人達は、あまりに希望的観測するぎるのではないかと思ってしまいます。

なんだかなあ。

時事

Posted by ymo