続-骨肉の争い

血縁者同士の争いと言う意味の「骨肉の争い」

「血で血を洗う」の血縁者同士の争いと言う意味における類語は、「骨肉の争い」です。「骨肉」とは骨と肉のことで肉体という意味の言葉ですが、血を分けた親子や兄弟という意味もあります。

つまり「骨肉の争い」とは肉親同士の争いのことを指しており、「血で血を洗う」と同じ意味合いを持つことわざです。また、さらに強烈な言葉が使われている「骨肉相食む」というものもあります。

「相食む」の直接的な意味はお互いを食い合うことで、熾烈な争いのことをたとえた言葉です。血を分けたもの同士が共食いをするという地獄絵図のような様子を指しており、「血で血を洗う」に近い意味を持っています。

引用:「血で血を洗う」の意味と使い方!語源と類語表現も(例文付き)

骨肉の争い | なんだかなあと思う世界

まあ、こんな言葉がある位ですから、昔から、血のつながっているもの同士の争いというのは、単なる他人同士の争いより、強烈に思われるのも仕方ないのかもしれません。…

親が作った借金を持った法人の代表取締役を息子に挿げ替えて、連帯保証人に巻き込んでおいて、法人の資産(不動産)はおろか、親の資産(不動産)の売却も反対し・・・・・・

これで息子が馬鹿息子で、放蕩者だったりすれば、意味が分かるけど・・・・・

一生懸命親のしりぬぐいをしている息子を巻き込んでおいて、実質的権限を与えないとか・・・・・ないわぁ。

で、前回骨肉の争いでは、親が不動産売却をさせてくれないという所まででしたが、新たな展開が。

なんと、今度は、息子の代表取締役を解任する!と。

実はこの法人、株主の50%お父さんが、25%をお母さんが、25%息子が持っていまして、お父さんとお母さんで過半数を持っているのでして、お父さんが息子に、書面で株主総会を開くと通知してきたと・・・・・

なんだかなあ。

これで、息子の代表取締役解任は決定的なんですけど・・・・・・連帯保証人は、対銀行だから、外れないわなあぁ・・・・・・

なんだかなあ。

さて、息子は切羽詰まってきて、法人の資産(不動産)を売却してしまいたいと、つぶやいているのですが・・・・・

実は法人の重要な資産の売却は株主総会の決議が必要です。

財産の処分が重要な財産処分にとどまらず事業の譲渡にあたるような場合には、株主
総会の特別決議を得てこれを行う必要があります(同法467条1項1号、309条2項11号)。
したがって、代表取締役は株主総会の特別決議を得なければ事業譲渡をすることができないということになります。

会社の重要な財産の処分について

会社法 第467条
株式会社は、次に掲げる行為をする場合には、当該行為がその効力を生ずる日(以下この章において「効力発生日」という。)の前日までに、株主総会の決議によって、当該行為に係る契約の承認を受けなければならない。

二 事業の重要な一部の譲渡(当該譲渡により譲り渡す資産の帳簿価額が当該株式会社の総資産額として法務省令で定める方法により算定される額の五分の一(これを下回る割合を定款で定めた場合にあっては、その割合)を超えないものを除く。)

なんだかなあ。

売却して切り抜ける方法もないではありません。

表見代表取締役 会社法354条
株式会社は、代表取締役以外の取締役に社長、副社長その他株式会社を代表する権限を有するものと認められる名称を付した場合には、当該取締役がした行為について、善意の第三者に対してその責任を負う。

原則として買主は所有権を得られないのですが、主が商業登記上の代表者を信用したのに所有権を得られないのは不合理ということもあり、このように、例外的に救済される場合もあるそうです。

でも、この会社の場合、倒産寸前なことは外から見て分かる状態で、会社の重要な財産(資産のほぼ全部)を売ろうとした場合に、買主は、「株主に反対者がいることなんて知らなかった!」で通るには、余程離れている人でないとだめでしょうね。

まあ不動産を買うのに、株主名簿なんて見ませんし、相手が代表取締役なら信用して、買っちゃうかもしれませんけど・・・・・・

いずれにせよ、原則論に対する例外ですから、難しいことに変わりはありません。

息子さんは、現在、弁護士に、不動産を売却できるように訴訟を起こしてもらう手続中ですが、代表取締役解任は株主の権利ですから妨げようがないし・・・・・絶邸絶命ですね。

骨肉の争い、恐るべし・・・・・です。

株主総会後、代表取締役を解任された息子さんがどうなるのか?
引き続きウオッチしたいと思います。

法律

Posted by ymo