個人の方が土地を安く買うには(2)残りものを探す
さて、前回は「焦らない」でした。
個人の方が土地を安く買うには(1)焦らない | なんだかなあと思う世界
さて、もうかれこれ20年以上、不動産会社、それも土地販売を行っている会社に関与しています。 その間、土地の値段の不思議な仕組みについて、見て来ました。 で、土地を仕入れる側の人間にしか分からないことを、まとめたら面白いのかなと思い、シリーズ化することを考えました。 …
個人の方が、土地を買おうとするのに、焦ってもほとんど良いことはないというお話をしました。
で、今回は「残りものを探す」です。
家電製品でも新発売した日から年月が経てば、価格は安くなります。
コンビニやドラッグストアでも、長期在庫品が値引きで売られることがあります。

これと同じことで、土地についても、発売日から日数が経過すると、安く売られることがあります。
この辺の事情は、「商品」というくくりでは、一緒です。
さて、土地の場合は、売主は、その所有権者の方の場合、そしてそこから依頼を受けている不動産会社の場合、そして、土地を仕入れて売る不動産会社の場合とおおまかに区分して3つの場合があります。
売主がその土地の所有権者の場合、元々売ろうとしているわけですから、売り出してから日数が立てば、売らなければならない心理が大きくなります。
もっとも、なんとなく売りに出す場合もあるので、その辺は、売主の事情によります。
土地の場合は、売買に関して様々な法律的な問題が絡んできますので、ほとんどその土地の所有権者が単独で売ろうとしている場合はありませんが、仲介をしようとしている不動産会社は、売主の意向に沿って動くことが多いので、その辺の事情が分かれば、値段交渉にも有利です。
いずれにせよ売ろうとしているのですから、発売日から日数が経過していれば、売りたい圧力が強くなります。
ですから、売主やそこから依頼を受けている不動産会社の言っている金額にかかわらず、大幅な値引き交渉ができる場合が多くなります。

なお、余談ですが、土地売買において、値引きを言い出さないという交渉はほとんどないと思っていてください。定価、つまり言い値で買うなんていうことは、余程のことがないとありません。
土地を仕入れて売る不動産会社の場合、さらにその傾向が強くなります。
普通の商売でも、商品の回転率は重要です。
さらに、銀行融資を受ける場合、商品がなかなか回転しない会社に、銀行が喜んで融資をするはずもないのですから、商品の回転率は、会社経営でも気になる所です。
そこに売れ残っている商品があれば・・・・・値引きしてでも売りたくなるのは当然です。
では、売れ残っている土地をどうやって探すか・・・・・。
一番簡単なのは、分譲地(複数の土地を一斉に売り出した場所)で、残り1区画とか、そういった残り物を探すのが一番簡単です。

例えば10区画の分譲地があった場合、残り2つとか1つになると、不動産会社の方では売り切りたいという気持ちが強くなります。
ですから、値引き交渉に応じやすくなる可能性があります。(あくまで可能性です。)
さらに突っ込んで言えば、最後の1つよりも少し前、残り数が少なくなったあたりが一番のタイミングです。
銀行融資を受けている場合は、分譲地全体で均等に返済するのではなく、全体の6割とか8割とかのタイミングまで、均等に返済して行く条件が多いようです。
例えば10区画の分譲地の場合、8割で返済するとなると、8区画目までで全額返済する予定となっていますから、なるべく8区画目までは、早く売りたい・・・・となると8区画目は多少値引いても、売ってしまおう・・・と。
もちろんこの場合9区画目・10区画目はまるまる会社の利益になりますが、会社の資金繰りを考えれば、多少値引きしても早期に回収できればうれしいわけで、値引き交渉に応じやすくなることが多いと思います。
逆に考えれば、1区画目や2区画目は、まだ売り出したばかりで、値引き交渉に応じることは少なくなります。
他に手段はあまりないのですが、地道に定点観測をするか、素直に売主に問い合わせる位しか方法がありません。
欲しいと思った付近を地道に定期的に見て回る・・・・・まあ個人の方に適した方法ではないかもしれませんが、この観点からも、焦って飛びつくのは得策ではありません。
素直に売主に問い合わせるというのも、実は結構ハードルが高い方法です。
というのは、不動産屋さんは、ひとり二人でやっている所が結構あり、ネットに掲載されていない情報なんかも多く、ネットの掲載されていても詳細な番地が書いてなかったりして、そうすると電話問合せなんですが、大手と違って、いなかのお年寄りが「なんですかぁ?」的な対応をしたりするので、滅入ったりします。
また値引き交渉はかなわんと思って、教えてくれない会社があったり、担当者に確認しますと言って、返事が返ってこないとか、返事が返ってきても営業マンがやたらと電話してくるようになったりと・・・・個人の方には結構きついものがあります。
まあ、土地を安く買うためには仕方ないと思って、この辺は頑張らないといけないわけですが・・・・・
こういうことを面倒だと思うので、その点を省略したい方は、懇意の不動産屋を作っておくわけですが・・・・・
なかなか個人の方だとそうもいかないわけで、大手の不動産屋さんに行ったりすることになります。
また話は脱線しましたが、いずれにせよ「残りものを探す」というのはひとつの手段としてありだと思います。
尚、残りものだからと言って、これも焦って飛びついてはいけません。
残っているからには、何かしらの理由がある場合もありますので、当然きちんとした吟味は必要になります。
ただ、以外に、何の意味もなく、最後の1区画とか2区画というのは分譲地では、売れ残ることが多いような気がします。
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