(続)抵当権を設定したのが閉鎖(解散)した法人だった場合・・・・・・

人はパンのみに生きるにあらず

と誰かが言っていました。
確かキリスト教の聖書の話だったと思います。
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よくこれが使われる場合には
「人間は物質的な欲望だけで動くものでは無い」
という意味に使われますが、よく調べてみると実はちょっと違います。

イエスは答えて言われた。『人はパンだけで生きるのではなく、神の口から出る一つ一つの言葉による』と書いてある」(マタ4:4)。

これがその引用される文章の全文です。
実は、結局、キリスト教の、もしくはキリストの言うこと良く聞けよ、と言う文章の前半部分が、いつの間にか有名になったもののようです。
前置きが長くなりました。
こんな話をしたいのではなくて、今回の話は、前に書いた
抵当権を設定したのが閉鎖(解散)した法人だった場合・・・・・・
で紹介した、閉鎖された法人の、根抵当権が設定されている不動産について、その根抵当権をはずしたいというお話しの続きです。
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前回弁護士の先生に、ちょっと聞いた話を書きました。
その弁護士の先生は、ある会社の顧問弁護士なのですが、ある会社の社長がケチで、あまり顧問料を払っていないので、色々仕事を頼むと、報酬に見合わないでしょう。
あまりちゃんとした答えをくれなくなります。
まあ、当然でしょうね。
人はパンのみに生きるにあらず、と言っても、報酬は報酬ですから、正当な報酬を受け取れないとあまり働きたくなくなるでしょう。
ああ、やっとつながった。
閉鎖された法人の抵当権を、不動産登記から外す件について、清算人を立てればいいじゃないか、という弁護士の先生の話をもとに、裁判所の訟廷係の担当者と、電話で話をしました。
その結果、弁護士の先生が言うほど、簡単なことではないということが、よく解りました。
問題は、その根抵当権を設定した後に、きちんと返済がなされているかどうかという証拠書類があるかどうかということに、よって大きく変わるそうです。

①きちんと返済されている証拠書類がある

それがあれば、清算人を立てて、簡単に、抵当権抹消手続きに進める。
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②きちんとした証拠がない場合

清算人を立てても、清算人となった弁護士は「はいそうですか。」と言って、抵当権抹消の手続きをしてくれません。
それはやはり弁護士ですから、証拠のないことについて、申立人の言い分を、そのまままるっと飲むということはないでしょう。
となると、当時の抵当権設定額のお金を払って、つまり弁済して抵当権を抹消することになります。
今回の場合、抵当権の金額は、当時の金額で50万円なので、それを払えば良いことになります。
で、おもしろい問題なのですが、果たしてその50万円は、どこに行くのでしょうか。権利者である法人は清算していて、存在しないわけですし。
実は、清算人となる弁護士の先生に報酬を払った後に、残ったお金は、受け取り手がないので、国に帰属するんだそうです。
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③証拠はないし、抵当権設定金額ではお金がかかりすぎる。

最後の手段は、閉鎖された法人を相手に、訴訟を起こし、当然相手がいませんから、その場合は、裁判所が特別代理人(弁護士の先生ですが)を選定して、その人を相手に裁判をして、勝訴して、ちゃんと払ったということを裁判所に認めてもらい、そして抵当権抹消手続きにするという方法があるそうです。
※抵当権抹消手続請求訴訟っていうらしい。
閉鎖された法人相手に、抵当権を抹消するのも、色々大変なんだなと思いました。
それにしてもある会社の顧問弁護士の先生ちゃんと仕事してほしいですよね。
なんだかなぁ。

法律

Posted by ymo