補助金・助成金事業の運用は難しい

情報源: <会計検査院調査>2割で雇用増えず…国補助の小規模企業 – BIGLOBEニュース

成長戦略の一環として、従業員を新規雇用した小規模事業者に支給される国の「小規模事業者持続化補助金」について会計検査院が抽出調査したところ、2014、15年度にこの補助金を受給した事業者の2割弱で従業員数が増加していなかったことが関係者への取材で分かった。今国会で審議中の16年度第2次補正予算案にも120億円の小規模業者向け補助金が計上されているが、有効性を確保する仕組み作りが求められそうだ。

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毎度毎度思うのですが、補助金って、ほんとう、難しいですよね。
例えば、この「従業員を新規雇用した小規模事業者に支給される」という助成金。
そもそも論、従業員数が増加しなかったという後調査をしているわけだけれども、最初から従業員数が増加しないとだめという要件が入れてあったのであれば、返してもらえばいいだけだし、そういう要件が入っていなかったのであれば、何をいまさらという話。
上記では引用していないが、この情報源の後半文章を読むと、当初はそういう要件を入れてなかったんだろうなあという推測が成り立つのだが。

なんだかなあ。

こういう補助金は本当に難しい。
 
まず、申請自体が中小企業には非常に手間。
その手間のために、成功報酬で請負う企業や、社会保険労務士や行政書士がいる位。
そういう人たちの仕事になっている。

160321%e5%8a%a9%e6%88%90%e9%87%91-950x374こういう人がいっぱい!

 
おまけに対象要件が非常に細かくなっており、その助成金をもらうための準備をしつつ、動かないと、助成金がもらえないようになっている。
つまり本末転倒なのである。
本来は新規雇用を増えるからもらえるのであって、助成金をもらえるか新規雇用を増やすというのは、経営的には、ありかなしかで言えば、「なし」だと思うのである。
もちろん経営者のモチベーションにならないと言えばウソになるが、たかだか従業員の給与の数か月分とか半年分の助成金をもらって、その後数年から数十年の雇用を確保するなんていうことは、ありえないことはすぐに分かるはずである。
だから完全にモチベーションにしからない。
 
そしてまた繰り返しになるが、書類の山!であり、条件整備の山!なのである。
役所はその助成金をチェックしたり、支給したりすることで仕事をしている気になっているのだろうけれど、雇用とはあまり関係がないと言える。
 
そして闇の話をすれば、こういう助成金をもらうために、いろいろ動く人たちがいる。
つまりおおっぴらには言えないけれども、本来はもらえないような助成金を、あの手この手でもらってしまうのである。
中には成功報酬で請け負う業者がそういった手引きをすることも過去には何度もあった。
もちろん刑事事件になったこともある。
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こうしてみると、助成金・補助金の運用は本当に難しいのである。
こういうことに時間と手間を費やす位であれば、もっと生産的な方向にお金を使う方が良い・・・・というか公共事業として、雇用を確保を目指し、民間がやらないけれども、国や地方自治体がやると地域住民に利する業務をする人件費に払った方がましなのではないかと、いつも思ってしまう。
書類チェックして、もらえるとかもらえないとかチェックして、もらう方はどうやったらもらえるか画策して・・・・・
なんて後ろ向きなんだと思ってしまう。

なんだかなあ。

政治,時事

Posted by ymo