相続人がいない財産ってどうなるの?
これまで
相続財産管理人と破産管財人と特別代理人
「相続人のあることが不明なので・・・・」
続・相続財産管理人と破産管財人と特別代理人
相続財産管理人の申し立てについて
と相続について、結構話題に挙げております、このブログ。
今回は、「相続人がいない財産ってどうなるの?」ということについて考えてみました。
相続には放棄という選択肢があります。
相続放棄については、また別の機会に譲るとして・・・
(これだけについて書き出しても結構長くなると思うので。)
相続出来る財産が残っていて、それが放棄されるとどうなるのでしょうか?
さて、今回も丸投げで一般論としては、相続人の全員が相続放棄すると遺産は誰のものになるのかを読んで下さい。
結論というか、法律的には、相続されない財産は「国」のものとなります。
ところが、世の中そう簡単ではありません。
事例として、相続財産を土地とします。
誰も相続しなかった土地は、登記上誰のものになっているのでしょうか?
実は、登記上は誰のものともなりません。
?なにそれ?と思うかも知れませんが・・・・・
よく不動産を売買しようとして、売主の登記簿を取ってみると、名字は一緒だけど、名前が違うので、よくよく聞いてみると、親が死んでから、相続登記をしていないということがあります。
つまり、不動産登記について、相続が実行されていないなんていうことは、ざらにあるのです。
もっと言えば、土地の所有権者の人が死亡して、誰も相続しないで、そのまま放置されているなんていう土地も存在するのです。
多分、家族関係や血縁関係が薄れていく今後はさらにそういうことが起こるのではと思います。
つまりその土地の登記名義人は死亡した人のまま、相続されない財産は、誰のものにもなっていないのです。
次に、そうした相続登記されていない財産が、誰かの目にとまったとします。
親が死んで相続登記をしていないなんていう場合は、誰にも気づかれないでしょうけれど。
相続放棄の場合は、ほとんどが借金を抱えているから、放棄されるのでしょうから、債権者がいます。
債権者としては、少しでもお金を回収したいので、相続されないで放置されている土地について、売ってお金に替えたいと思います。
こうした時に、誰かその土地についての意思決定をする人が必要なので「相続財産管理人」や「特別代理人」が選任されます。
ところが、ここでも不思議なことが起こります。
例えば死んでしまった人がAとBという土地を持っていたとします。
Aは売れそうな土地なのですが、Bは売れなさそうな土地だったとします。
相続財産管理人はAを売却して、債権者へ支払いを実行し、Bは売れないので放置します。
普通考えれば、残った土地は国に帰属させればいいと思うのですが、ここで相続財産管理人を降りてしまう場合があります。
は?とか思います。
なんで残ったBの土地はそのまま放置なんだと・・・・・
なんだかなあ。
Bという土地は、相続人不存在→相続財産管理人選任→相続人不存在となります。
これはBという土地が売れなさそうではりあますが、売れないわけではなく、Bという土地に抵当権が設定されており、債権者が存在するなんていう場合に起こるのです。
つまり債権者がいるのに、勝手に財産を国のものにしてはいけないということなんでしょう。
こうした事例は実はかなりレアではありますが、ないわけではありません。(私が実例を目にしているわけですから。)
さらに複雑になってくると、
・相続人不存在→相続財産管理人→破産管財人→相続人不存在
なんていう例もあります。
破産管財人がその土地を債権者に配分するに値しないとして、放棄して、結果また相続人不存在となったのですが・・・・
破産管財人が破産手続きを終結させて、つまり債権者の権利もなくなったはずなので、その土地についている抵当権もなくなるかと思いきや、債権者が抵当権をはずさないので、そのままになっているという感じです。
こうなると何がなにやらさっぱり分からなくなってきますが。
つまり、法律は最終的に国に帰属するとしていますが、相続されない財産は、往々にして国に帰属されないで、何十年も放置されている場合が多いのでした。
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