不同沈下(ふどうちんか)

2020年7月19日


さて、「不同沈下」(ふどうちんか)なんていう単語を聞いたことがあるでしょうか?

家全体が均等に沈下するのではなく、一方向に斜めに傾くような状態のことです。 不同沈下が起こると、建物に大きなダメージを与えます。 その理由は本来、水平・垂直を保っていなければならない、建物の構造を支える部材が、不同沈下によって平行四辺形や台形に歪み、一ヵ所に荷重が集中して、無理が集中するからです。
情報源:不同沈下について : ジオテック株式会社
 

繰り返しになるかもしれませんが、土地の上に建物を建築したとして、その建物の下の土地が、全体的に同一に沈下、つまり沈むのではなく、一部だけが沈むことを言うわけです。

もちろん、沈下していい事はないんですが、一部だけ沈下すると、建物が傾き、そして建物の一部に荷重がかかるために、建物は壊れて行きます。

不動沈下というのは、そういう意味です。

で、なんでこんな話をしているかというと、とある不動産屋さんが売った土地を買った人が、その不動産屋を訴えたからです。

訴えの内容は、

  • 買った土地の地下から、以前建っていた建物の基礎が出てきた。
  • 建物の基礎がある位だから、その下がどうなっているかなんて、分からない。
  • 自分が家を建てると不同沈下する可能性が0ではない。
  • だから損害賠償金を支払え

という内容です。

でもですね、この建物基礎が出てきたのは、地中から2m以上も下です。

一般的な住宅を建てる際に、基礎なんて1mも掘り起こして作りません。

もちろんこの土地の地盤が軟弱であれば、そうはいきませんが、この土地は地盤調査をして、軟弱地盤ではないとのお墨付きで、周囲も2階建ての住宅が建築されています。

この方の家は特殊で、平屋なのに、かなり大きめの家で・・・・・でも、それでも地盤から1mまでにしか基礎を入れない設計になっています。


不動産屋さんは、2mより下の基礎が気になるのであれば、建築する家の杭を入れる部分は、3mでも4mでも穴をあけて、地盤改良をすると言っているのですが、土地を買った人は、それでも不同沈下する可能性がなくならないから、嫌だと言っています。

ここまで書いてくると、確かに基礎が出てきたことは問題なのかもしれませんが・・・・・

なんだかなあ。

私が家に対して、そして耐震性に対して無頓着なのかもしれませんが、こんなことまで考えなければならないとすると、土地なんて、迂闊に買えませんね。

だって、その土地が過去どのように利用されていたか、その土地がどのように出来上がったのかまで知らなければ、地下から何が出てくるかなんて分からないわけで・・・・・・

なんだかなあ。

で、こういう場合の裁判はどうなるのかというと、かなりケースバイケースのようですね。

情報源:【土地売買の不備・瑕疵→解除・損害賠償|土壌汚染・埋設物・河川拡張】
情報源:【土地売買×地盤沈下・軟弱地盤・液状化|法的責任・判断基準】

住宅を建築する土地として『通常有すべき性状』を備えているかどうかという話になるようですが、通常有すべき性状っていうのが数値化できるわけではないので・・・・・ 

法律

Posted by ymo