取得時効の承継

2020年8月23日

とある不動産の所有権者から、土地・建物を買うことになりました。
もちろん「買って~」と頼まれたからですが・・・・・。

ところが、詳細を調べてみるとびっくり。
その人が住んでいる建物は半分しか登記されておらず、反対側の半分は未登記。
おまけに、登記されている建物が建っている土地は、ご本人のものなのですが、反対側の未登記の建物が建っている土地は、他人名義・・・・・。
なんじゃそりゃ。
おまけに公図を取ると、そのあたりの土地は筆界未定。

筆界未定地(ひっかいみていち)とは、「地籍調査」が行われた際に、境界(筆界)を確認できなかったため、筆界が未定のまま処理されてしまった土地のことです。境界を確認できない理由としては、筆界について所有者間に紛争があったり、数筆の土地を一区画で利用されていたり、現地で調査を行った際に土地所有者に立ち合ってもらえなかった場合等があります。

国も親切だし、測量制度も上がっていることもあり、たまああにきちんと測量しなおす、つまり地籍調査っていうのをするんですが・・・・・。
そういうことをしたあと、上記のような理由で、複数の土地が公図上で一緒になっちゃったりします。
そんな時は旧公図というのがあったりする時があります。
これが結構笑えるんですが、ほとんど手書きで、江戸時代かっていうような図面?というのはあやしい図です。

でも、他人名義の土地に、未登記の建物じゃあ、買えませんよね。
で、その所有権者はちょっとだけ知識があって、取得時効だって言うわけです。

取得時効(しゅとくじこう)は、他人の物または財産権を一定期間継続して占有または準占有する者に、その権利を与える制度である。消滅時効とともに時効制度の一つである。例えば、AがBの土地に勝手に家を建てて20年間住み続けた(占有)とする。この場合、AはBに時効が完成したことを主張して、本来は他人 (Bのものであった土地の所有権を取得することができる。取得時効により権利を取得することを時効取得という。

つまり、20年以上の間、反対側の土地の所有権者になっている人はなんとも言ってこなかったし、未登記の土地も私が使っていたと・・・・・

で弁護士の先生に相談してみた結果は、以下の通りです。

①取得時効が可能か否かは、所有権者がどのような経緯で建物と土地を占有するようになったのかという事情如何によります。

う~ん、まずそこか。

②取得時効の相手方が行方不明の場合には、訴訟(公示送達)によって権利を確定し、土地所有権を取得することが可能です。

お、そこは行方不明でもなんとかなりそうだな。

③承継取得者は、前の所有者の取得時効を引き継いで援用することが可能です。

ここが肝心なんですが、所有権者が取得時効できそうな経緯なら、買ってもなんとかなるんですね。

それにしても20年以上もの間、名義だけとは言え他人の土地の上に建っている建物、しかも未登記に済んでいても気にならないんですね。

なんだかなあ。

まあ、固定資産税は名義と関係なく払っているようですし、誰からも言われなければそのままにしておくもんなんですね。
私なんか、そんな状態だと不安になっちゃうような気がするんですが・・・・・

法律

Posted by ymo