私が考える税理士の選び方

2020年7月5日


会社経営をしている限り、税理士とは切っても切れない腐れ縁となります。
どんな規模の法人であろうと、また個人であろうと、事業をしている限りは、税務申告をしなければなりません。

自分で税務申告書まで作成できる人は、かなり限られると思うからです。

実際、私が出来るのは、もともとそういう大学・専門学校でそういう方向の勉強をしていたからで、それでも大学や専門学校では申告書の作成については勉強する機会はありませんでした。

となると、申告書を作れるのは、税務署の職員・OB、税理士・公認会計士と、そうした人々の事務所に勤務していた方に限られます。

さて、こうした関係から、税理士の選択は必ず選択しなければならない経営者の決断のひとつとなります。

税理士の選び方としては、私は3つの観点をあげたいと思います。

尚、「零細中小企業の場合は」ということを前提にしていますので、経理担当者がいて、自分のかわりに税理士と様々な交渉をしてくれる専門的な知識を持った社員がいるある程度の規模以上の会社の場合は、この限りではありません。

①自分が数字に強いかどうか
②自分がやっている業種業界が税務調査の対象となりやすいかどうか
③自分がやっている商売が儲かっているかどうか

①自分が数字に強いかどうか

自分が経営者として数字に強いかどうか。

ある程度数字に強ければ、税理士は正直言ってどうでもいいです。

従って、あまり高い報酬を要求する税理士を顧問にする必要がありません。

極論を言えば、税理士は申告をする時だけ、ハンコをついてくれればいい的な感じでも問題は起きません。

この場合数字に強いとは、作成されてきた申告書を見て、理解する気があり、その結果、何がどうなれば、税金がどのように変動するかを理解する気があるという意味になります。

②自分がやっている業種業界が税務調査の対象となりやすいかどうか

税理士が本当の意味で威力を発揮するのは、税務調査の時です。

税務調査は極端に言えば2種類になり、定期的な調査の場合には、そもそも大きなトラブルに見舞われることはありません。(もちろんあからさまな脱税をしていれば別なのですが。)

問題は、税務署が、特定業種を狙って真剣な調査に来る、ないしはある程度狙って自分の所に調査に来る場合です。

この際は、向こうもある程度きちんとした情報を持って来ることが多いので、内容も高度になりますし、回答に時間もかかることが想定されます。

従って、こうした時には税理士が力を発揮してくれないと、結局は自分(経営者)が労力を割くこととなってしまいます。

税務調査は、自分の事業にはまったく無関係です。
無関係というよりは邪魔になる作業です。
一度でも税務調査の対応をした方ならば理解してもらえると思います。

問題は税務調査は、どの程度の頻度で来るかということなのですが、正直言って、開業初年度に来られた事例も知っていますし、25年間一度も税務調査に来られなかった会社も知っています。

なので、税務調査が自分の会社に来るかどうかは、確率論であって、確率が高いかどうかは、自分がやっている業種業界が税務調査の対象となりやすいかどうかについて、常に調査しておくしかないことになります。

税務調査の対象となりやすい業界ついては、ググれば簡単に出てくると思いますが、一般的には、風俗・不動産は、最もマークされている業界なので、注意して下さい。

③自分がやっている商売が儲かっているかどうか

さて、ここまで来れば、賢明なるこれを読んでいる方はご理解頂けたと思います。

「数字に弱くて」「風俗や不動産といった税務調査されやすい業種」の方は、ある程度高い顧問料を払って、税務調査にきちんと対応してくれる税理士を選んだ方が良いというになります。

ですが、儲かっていないのであれば、それも関係ないことになります。

儲かっているかどうか、それはその人の主観による場合があるので、より正確に言い直すと、黒字なのか赤字なのかという点です。

赤字であれば、税理士がいくらいい加減に申告書を作成しようと、税務署が調査に来ようと、何も問題はありません。

税金(法人税)は利益に対して支払うものですから。

まとめますと、「黒字」で「数字の弱く」て「税務調査に来られそうな業種」の方は、きちんと税務調査に対応してくれる税理士を選んでおく、従ってある程度の顧問料をかける必要があるということになります。

自動車保険を例にとれば分かりやすいと思います。

高級外車を乗る人は、車両保険にも入りますし、ある程度高い損害保険料にも納得するでしょう。
でも、新車登録から10年以上経過した軽自動車に乗る人は、それほど高い損害保険料を払う人はいないと思います。

場合によってはこういう人は、任意保険に加入しない人さえいるでしょう。

自動車保険と同じで、ネットでいくらでも安い自動車保険はあるのに、お付き合いで、高い自動車保険に入っている人もいまだにたくさんいると思います。
税理士についても同じで、ほとんど利用する機会もないのに、高い顧問料を払う経営者もいまだにたくさんいます。

なんだかなあ。

さて、あなたは、税理士をご自身で「選んで」いるでしょうか?

法律

Posted by ymo