個人の方が土地を安く買うには(3)値切る

初回は「焦らない
2回目は「残りものを探す

個人の方が土地を安く買うには(2)残りものを探す | なんだかなあと思う世界

さて、前回は「焦らない」でした。 個人の方が土地を安く買うには(1)焦らない | なんだかなあと思う世界さて、もうかれこれ20年以上、不動産会社、それも土地販売を行っている会社に関与しています。 そ…

さて、今回は、ずばり「値切る」です。
いやいや、そんなこと当たり前じゃないかと思ったあなた!
そう、当たり前なんですが・・・・・ただ単に値切るだけなら誰でも出来ますが、それじゃ効果的に値切れません。

仕事でもそうですが、出てきた見積もりに対して、内容も見ずに、端数を値切ろうとか、当たり前のように10%を値切れるだろうとか、ここでそんな根性論を言うつもりはありません。

では、どうしたら効果的に値切れるのか。

それは、2つのことを考える必要があります。

①原価

普通の商品でもそうですが、原価100円のものが100円以下で売っていれば、利益度外視な訳ですから、なかなかこれは値切れないぞということになります。

土地の場合は、現在の所有者が誰で、いつ、どうやて入手したのかということが非常に重要になってきます。
この辺は、土地の謄本を取得すれば、それこそ誰でも見れますので、事前にチェックしておくのは必須と思われます。

数十年以上前に相続で取得したような土地であれば、原価はあまり高くありません。
逆にここ10年以内に売買で取得したのであれば、それなりの原価がかかっているはずです。
不動産会社が取得したものであれば、これは利益を得ようとしているのですから、なかなか根切り交渉は手強くなります。
不動産会社が入手したものでも、年数が経過していれば、それは不良在庫の可能性があります。
また、元々は宅地以外の種目の土地を入手したのであれば、原価はかなり安かったはずです。

このように、「誰が」「いつ」「どうやって」入手したのかを謄本でチェックしていれば、その経緯を確かめつつ、値切り交渉の情報として使えます。

売主が不動産会社だったり、仲介に不動産入ったりしている場合は、こういったこれまでの経緯をがんがん質問しても問題ありません

こいった経緯を隠すような不動産会社もあるようですが、それは担当者に知識がないのか、利益を得るために履歴を隠そうとしているかのどちらかになると思いますので、要注意です。

こうした中で、限りなく原価が分かる場合が存在します。
それは競売物件を取得した不動産会社が売り出した物件です。
競売物件については、落札価格が公表されますので、そこから原価を類推しやすくなります。
逆に言えば、競売の落札価格より安くなることはめったにありませんから、値切り交渉に、限度があることになってしまいますが・・・・・

②売っている人の状況

前回の残りものを探すもこれの中のひとつです。

土地を売る必要性は様々な場合があります。

不動産会社が売っている場合でも、自社物件なのか、依頼を受けているだけなのか?

自社物件であれば、それは不良在庫なのか、まだまだ売り出したばかりなのか?

所有権者が別に居て、依頼を受けて売っている場合、その所有権者はどうしてその土地を売らなければならなかったのか?

土地謄本に、差押であったり、抵当権がついたりしていれば、お金が必要であることは分かりやすいのですが、そうでない場合も、出来るだけ不動産会社の担当者と話をして、情報を得ることが必要です。

相続税の支払いでお金が必要になった。
会社を経営しているが、売却して資金調達しなければならなくなった。

その他様々な場合がありますが、こうした情報が得られれば、値切り交渉の重要な要素として、考えることができるでしょう。

以上のように、その土地についてのある程度の情報収集は必須ですし、それなくしての値切り交渉は、単なるゴリ押しと代わりありませんから、効果的とは言えませんし、端数を値切ってもらって満足して終わりという結果になるでしょう。

不動産の金額は様々な要素と絡み合って決まるものですから、こうした情報を入手することができれば、50万円や100万円の値引きが可能となります。

不動産

Posted by ymo