印鑑ってなんだろう。

2020年12月8日

印章(いんしょう、英語: seal)は、象牙金属合成樹脂などを素材として、その一面に文字シンボル彫刻したもの。個人・官職団体の印として公私の文書(公文書や私信など)に押して特有の痕跡(印影・印痕)を残すことにより、その責任や権威を証明する事に用いる。

印章

一時、印鑑の廃止について政府の動きがあり、議論されましたが・・・・。

行政手続きのハンコ、99%廃止へ 閣議請議の押印も: 日本経済新聞

日経の記事利用サービスについて 企業での記事共有や会議資料への転載・複製、注文印刷などをご希望の方は、リンク先をご覧ください。 詳しくはこちら 河野太郎規制改革相は16日の記者会見で、民間からの申請などの行政手続きで求める押印のうち99%を廃止できる見込みだと発表した。押印が必要な約1万5千種類の手続きで、各府省が押印を存続する方針を示したのは1%未満の111種類だったという。 …

今回はそんな話ではなく、印鑑をめぐる実務の話であります。

官公庁の提出書類に印鑑が押してあるとかないとかそういった話はさて置き。

実際に最近、印鑑をめぐる私の印象は、昔と違ってかなり変わってきています。

昔は、印鑑、特に実印の押印と印鑑証明のセットは、錦の御旗でした。

実印の押印と印鑑証明のセットは、絶大なる信用効果があったのですが・・・・・。

最近は、どうもそうではないようです。

例えば、お金の貸し借りをすることに対する基本的スタンスとして、最近は、実印と印鑑証明、だけではその効力に自信が持てずに、お金と本人両方が写った写真まで撮ったりします。

これは裁判で、本人とのお金の授受が、争点になるからで、実印と印鑑証明だけでは、証拠能力に乏しいという判決が多々出てくるからなのです。

先日も、贈与契約を巡っての是非が問われた民事の裁判で、判決に「実印と印鑑証明書、筆跡も問題なく、契約書は真正である」とされつつ、その意思の是非によって、贈与契約は認められないというものがありました。

もちろん、それだけではなく、他に争点もあったのですが、私がショックを受けたのは、本人が記載して、実印を押印して、印鑑証明もセットであるのに、その契約自体が無効となってしまった点です。

もちろん本人が心神喪失状態だったとか、痴呆状態だったとか、そういったことであれば納得しますが、そうではなくて・・・・なのです。

こうなってくると、契約の成立における印鑑の役割ってなんなんだろうということになってしまいます。

もちろん、今でも実印と印鑑証明のセットの意味はあります。

ですが、今は、それだけ・・・・ではダメな世の中になっているような気がします。

そんな中、なんでもかんでも印鑑を押すことのよって本人?であるかのような証拠能力を印鑑に持たせることは、確かに意味がないような気がします。

最近では印鑑証明より、本人確認の身分証明書の提出とか、その他さまざまな補完情報がなければ、証拠能力を持たなくなっています。

とすると、印鑑?ってなんの意味があるのか、最早分からなくなってしまっています。

名前を書いて、身分証明書のコピーを提出することで、意味が足りるわけで、その上印鑑を押す意味ってなんなんでしょうか?

特に、三文判と称される規格ものの安物印鑑は、「特有の痕跡」持たないものですので、本当にその意味をなくしていると思います。

法律

Posted by ymo