限定承認相続と不動産譲渡所得税
限定承認相続と言った時点で、詰んでしまう方も多いかと。
情報源: 限定承認 – Wikipedia
相続財産を譲り受ける際、もらえるお金より、借金の方が多ければ、そんな相続財産いりませんよね。
こういう時は、相続放棄してしまうのが一般的なんですが・・・・・
上記wikiにも書いてあるように、限定承認を使う場合って、ほとんどないようです。
相続放棄してしまえば問題ないのに、わざわざ借金を背負う時って、どんな時があるんでしょうねって感じですが・・・・・
例えば、相続財産に不動産(土地)があって、相続放棄してしまえば、その土地は債権者が競売にかけて、処分されてしまいますが、そんな時にどうしてもあの土地は自分で処分して、最後まで(土地代金の分配まで)見届けたいなんていうことが、稀にあるようです。
こういう場合は、自分には1円も入らないことが分かっているのに、どうしても自分で整理したいという、もうこれは気持ちの問題なんでしょう。
限定承認についての詳細はここでは書きませんが、何しろその限定して受け継いだ財産の価値以上の債務は背負わないっていうことなんですが、自分の手間の分だけは確実にマイナスな気がします。
さて、相続財産に不動産(土地)があって、その土地を限定承認相続したとします。
最終的にはその土地を売却=換価して、債務者への借金返済に充てるわけですが・・・・・・。
今回、こんなタイトルのブログを書こうと思った事例で説明していきます。
登場人物:Y氏・Y氏父・Y氏弟
経緯
・Y氏弟は金融機関より融資を受けた。
・その際に、Y氏父の土地を担保に入れ、抵当権を設定。
・Y氏父はY氏弟の連帯保証人になった。
・Y氏弟は、融資返済を遅延し、返済が滞っている。
・Y氏父は平成29年4月に死去
・Y氏父の土地をY氏は限定承認相続した。
・Y氏が今回限定承認相続をしたY氏父の土地を売却する。(800万円)
・Y氏父は500万円で当該土地を購入した。
・土地売却の金額は任意売却であるため、金融機関が全額回収する。
さて、ここで疑問が発生します。
500万円で買った土地を800万円で売れば、譲渡所得税が発生するのではないか・・・・・
でも800万円は金融機関に回収されてしまうから、所得税が発生しても、納税できない・・・・・?
で、分からなかったので、税理士の先生に質問してみた所、全く限定承認相続と関係ない回答が!
保証債務を履行するために土地建物などを売った場合には、所得がなかったものとする特例があります。
保証債務の履行とは、本来の債務者が債務を弁済しないときに保証人などが肩代りをして、その債務を弁済することをいいます。
保証債務の履行に当てはまる主なものは次の四つです。
情報源: No.3220 保証債務を履行するために土地建物などを売ったとき|譲渡所得|国税庁
つまり借金の肩代わりだから、所得はないものになるんですね。
税理士の先生ありがとうございます。
でもって、この事例の場合は、保証債務の履行なわけですが、そうでない場合はどうなるんでしょうか?
ネット等で調べてみると、限定承認相続をした場合、
被相続人の準確定申告で譲渡所得税の申告を行う。
準確定申告の申告・納税期限は、亡くなった日の翌日から4ヵ月以内です。
と書いてありました。
情報源: 【譲渡所得税】限定承認した場合のみなし譲渡所得税の申告 | 横浜の相続税対策は不動産に強い税理士事務所へ | 中村税理士事務所
つまり限定承認相続をした場合は、その分だけで、申告・納税をしなければならないようです。
でもここで疑問なのは、仮に納税額が発生したとしても、お金は自分で立て替えなければならないんでしょうか?
でもそうすると、その不動産が売れるまでは、立て替えが続くのでしょうか?
どうも限定承認相続は面倒毎を色々背負いこむようで、こんな面倒なことをする例があまりないのも頷ける所です。
なんだかなあ。
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