脱税と罰金と払わないとどうなるか

今回は、脱税をしてばれ、それが裁判にまでなるような悪質な場合になると本当に大変なことになるという話。
まあ正直言って、そういうことはほとんどないんですけど。(笑)
 
普通、警察でいうと所轄、税金でいうと管轄税務署の税務調査で、脱税したとかしなかったかとかいう話になります。
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こうした場合は、ほとんどの場合は裁判になったりしません。

  • (軽めの場合)本税の加算+延滞税
  • (少し重めの場合)本税の加算+過小申告加算税+延滞税
  • (かなり重めの場合)本税の加算+無申告加算税+延滞税
  • (すごく重めの場合)本税の加算+重加算税+延滞税

といった感じで、税金払えば終了です。
ところがごく稀に、所轄の税務署で終わらない騒動になることがあります。
それが、査察(マルサ)が来る場合と、資料調査課(料調=リョウチョウ)が来る場合です。
このいずれかが来ると、上の4つのパーターンでは済まずに、起訴され、裁判になり、判決を経て罰金刑を課されることがあります。
ここまで来ると、かなり悪質であることになりますが、そうなってくる場合、その後どうなるか、つまり上記で書いた税金を払えということ以外について、どうなると思いますか。
・基本的に起訴され裁判になったら、ほぼほぼ有罪
・その際の結果論の違いは、執行猶予がつくか、刑務所に行くことになるかの違い
・税金以外に罰金刑が科せられる
ということになります。
 
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で、その罰金刑なんですが、ネットでの書き方は、色々あっておもしろいです。
 
例①
罰金の目安
所得税法違反では懲役刑と罰金刑が併科され、又、法人税法違反では代表者等に懲役刑が、法人には罰金が科されることがあります。
また、罰金刑については、ほ脱税額へのスライド条項との関係もあり、一概には言えませんが、罰金としてはほ脱税額の20~30%が一つの目安という指摘もあります。
情報源:脱税の刑事責任
例②
悪質で巨額脱税になると、法人税法違反又は所得税法違反になります。
いわゆる脱税罪で刑事罰を受けることにもなります。
刑事罰というのは、実刑判決と罰金があります。
ちなみに、所得税を脱税した場合、5年以下の懲役又は500万円以下の罰金が科されることになっています。
通常は、脱税額のだいたい20%程度が相場になっているようです。
情報源: 2/2 罰金、逮捕!? 脱税のペナルティ [節税対策] All About
例③
捕脱税額が1億円以上で申告率がゼロか著しく低く(捕脱税額が高く)、捕脱の手口も申告納税制度の根幹を破壊するような悪質なものは実刑率が高くなります。
また、捕脱税額が3億円以上の場合にも、実刑率が高くなります。
その場合、5年以下の懲役若しくは500万円以下の罰金(脱税額が上回る場合には脱税相当額以下)に処し、又はこれを併科するとされています。
実刑以外に罰金刑を併科することは、最高裁によって重加算税を賦課しても二重処罰に当たらないと判示されていますので、罰金額刑罰として併科されることになります。法の規定は、最高限度脱税額と同額までの罰金額まで併科が可能であるとされています。
実務上では、捕脱税額の20%から40%相当が多く、捕脱税額と同額の罰金刑罰はほとんどみられません。
また、ほとんどのケースで、実刑のほか罰金刑が科されています。
情報源: 税務解説集:どこをどうみる相続税調査「III-9 脱税等の定義・時効・実刑と罰金の目安」
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まあ、結局は裁判ですから、どうなるかについては、はっきりとした決まりがあるわけではないので、仕方ないとは思いますが・・・・
上記の書き込みを見ていると、よくわからないのですが、法人税脱税の場合、法人とその代表者の問題となってくることが、中小企業では多いと思います。
例①で見ると、代表者には罰金が課せられないかのような書き方になっていますが、法律の条文を読むと、どうも全部ありありのよな感じです。

法人税法(以下要約)
第159条
偽りその他不正の行為により、法人税を免れ、又は法人税の還付を受けた場合には、法人の代表者、代理人、使用人その他の従業者で、その違反行為をした者は、10年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。
2 前項の免れた法人税の額又は同項の還付を受けた法人税の額が1000万円を超えるときは、情状により、同項の罰金は、1000万円を超えその免れた法人税の額又は還付を受けた法人税の額に相当する金額以下とすることができる。
第163条
法人の代表者(人格のない社団等の管理人を含む。)又は法人若しくは人の代理人、使用人その他の従業者が、その法人又は人の業務に関して、法人税を免れる等の違反行為をしたときは、その行為者を罰するほか、その法人又は人に対して当該各条の罰金刑を科する。

これを見ると、結局法人にも脱税行為をした人にも、最悪、懲役と罰金、両方科されることがありますよと書いてあるようにしか思えません。

なんだかなあ。

国税通則法にも、所得税法にも、法人税法にもそれぞれ、罰則規定が書いてあり、この辺はどれを適用するかは内容次第なんでしょうけれど。

法の規定は、最高限度脱税額と同額までの罰金額まで併科が可能であるとされています。

というのに、

実務上では、捕脱税額の20%から40%相当が多く、捕脱税額と同額の罰金刑罰はほとんどみられません。

というのもおかしな話ではありますが。
(※逋脱税額とは、免れた税金の額という意味です。)
 
さて、罰金は罰金として判決が出てしまい、まあ裁判ですから控訴をすることもあるかもしれませんが、それで刑が確定してしまうと、払わなければなりません。
そして払わないとどうなるかというと、
情報源: 罰金刑を言い渡されたのですが,罰金を払えない場合はどうなるのですか? | 刑事事件に関するQ&A | 刑事事件の弁護士はアディーレ法律事務所(2017/10/16リンク切れ確認)
情報源: 罰金を支払わないとどうなる?逃げ得を許さない労役場留置制度とは | 法、納得!どっとこむ
ということになりますので、お気をつけください。
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法律

Posted by ymo