相続登記しない理由

2021年2月6日

今日、とある人から相談を受けました。

曰く、自分の家の敷地内の別棟(古民家)を今度店舗として改装しようと思うのだが、実は登記上の所有権者が祖父のままで、相続登記した方がいいのかな?と・・・・・。

答えていて思ったんですが、別に融資を受けるとか、売却するとか、そういうことがなければ、別段登記する必要がぶっちゃけありません。

世の中には、登記していない建物もたくさんあり、固定資産税が課税されていて、そこに建物があることは、第三者の知る所となっていても、そのまま登記されないままでいます。

融資を受けようとするとさすがに銀行が抵当に入れようとした時に、貸した人と、建物所有権者が別だったりすると、色々問題がありますし、まして死んでいる人が、抵当権設定に同意も出来ませんから、「きちんと相続登記してくださいね。」ってことになります。

更に言えば、この人の場合も最近の典型例で、祖父の相続人は父のみ、父の相続人も自分だけとなれば、別に法定相続人が他にいるわけではないので、戸籍さえ残っていれば、いつでも真正なる相続人でございと登記出来るので問題ないのです。

もちろん売却となれば、さすがに所有権を相続登記していないと、新しい所有権者に所有権が移転出来ませんから・・・・。

ということで、実際に住んでいる家だったとしても、相続登記を積極的に行う理由がありません。

となれば、住んでいないどこにあるか分からない土地の相続登記が進まないのも無理はありません。

相続登記については、義務化する方向で検討しているようですが、役員重任登記と同じように、なんらかの罰金当の規制をかけないことには、相続登記を積極的にすることにはならないと思います。

相続登記をしないことによって、なんらかの罰金を科すのは私権の制限という話もあるかもしれませんが、居ない人の権利を守って、実際に居る人の権利が制限されるもどうかとは思います。

例えば固定資産税を払っている土地については免除されるが、固定資産税も払っていないで、相続登記を一定期間以上しない場合には、一定の罰金を科す程度の案は出てもいいと思うのですが・・・・・

なんだかなあ。

かくして、相談した人は、「融資を受けることになりそうだったら、相続登記するかな。」と言って帰って言ったのでした。

不動産

Posted by ymo