ひとつの会社の取締役になっていると、他の会社の取締役にはなれない?

・・・・・なんてことはありません。

昨日(6/5)に知り合いから電話がかかってきて、共通の知り合いであるKさんが、突然

「他の会社の取締役になっていると、他の会社の取締役になっちゃいけないって言われたんだ。」

と言い出して、何言ってるんだかって感じなんで、説明してあげてくれと。

悪魔の証明とまでは言わないけど、だめなものはだめってどこかにルールがあるから分かりやすいんだけど、だめじゃないことが本当にそうだって、説明するのは難しいよね。

悪魔の証明あくまのしょうめい、ラテン語:probatio diabolica、英語:devil’s proof)とは、証明することが不可能か非常に困難な事象を悪魔に例えたものをいう。

悪魔の証明 – Wikipedia

まあ、一応、取締役になれない人を規定している法律はある。

法律上、次に該当する場合には、株式会社の取締役になることができませんので、ご注意ください。
(会社法331条)
①法人
②成年被後見人もしくは成年被保佐人に該当する者
③会社法、証券取引法、破産法など会社に関連する法律違反の罪を犯し、刑の執行が終わり、または刑の執行を受けることがなくなった日から2年を経過しない者
④上記3以外の罪を犯して禁固以上の刑に処せられ、または刑を受けることがなくなるまでの者(執行猶予中の者は除く)

取締役の欠格事由について

でもなあ。
なっちゃいけないってだけで、③とか④の場合は、普通に登記できちゃいそうな気がしますが・・・・
まあ、誰かに気が付かれて、その誰かが、訴えることなんてあるんでしょうか?

さて、この共通の知人。
元々勤めていた会社の取締役で、そこの社長が、別会社を作って一緒に仕事をしようっていって、別会社の代表取締役になっているという経緯の人。

何を今更、そんなことを気にしているのって感じなんですが・・・・・

なんだかなあ。

でもまあ気になるみたいだから、もう少し調べてみました。

取締役が、他社の取締役を兼務することはできるでしょうか。

 この点、会社法には、取締役が他社の取締役を兼務・兼任すること自体を禁止する規定はありませんし、実際、兼務する例は少なくありませんから、原則として兼務は可能です。

取締役の他社役員兼務~取締役の資格

まあこん位しか言えないよなあ。
これで十分じゃね?

でも、共通の知人が言っている点とは少し違うけど、複数の会社のそれも同業種の会社の取締役をやっていると、一応気をつける必要があることはある。

「競業避止義務」と「利益相反行為」だ。

競業避止義務(きょうぎょうひしぎむ)とは、一定の者が、自己または第三者のために、その地位を私的に利用して、営業者の営業と競争的な性質の取引をしてはならない義務である。 法学上の用語であり、商法及び会社法と、労働法の双方で使用される。

競業避止義務 – Wikipedia

利益相反行為 (りえきそうはんこうい)とは、ある行為により、一方の利益になると同時に、他方への不利益になる行為

利益相反行為 – Wikipedia

簡単に言えば、同業の2社で取締役なら、ある時はこっちの会社、ある時はこっちじゃない会社と、恣意的に利益を誘導することが可能となる。

こうした場合、本来儲かるはずの会社が損をする場合だってあるだろう。
そういうことをすると、訴えられるよ!という話だ。

共通の友人の場合は、元々の会社の社長が言ってくれて別会社を作ったという経緯があるので、こうしたことはないだろうが、長い年月が経ち、元々の会社が翻意したり、元々の会社に新しく取締役が入り、その人がこうしたことを気にしたりすると、訴えられる可能性があったりもする。

でも、まあ、基本的にはそうしたことを注意した方がいいというだけで、複数の会社の取締役になることは、普通にあることだし、法的に問題なさそうである。

ちなみに、私は今、S社・S社・B社と3つの会社の取締役である。

法律

Posted by ymo