寡婦・寡夫・ひとり親

経理やっている人以外は、知らないと思いますけど・・・・
毎年「源泉所得税の改正のあらまし」というのが、会社へ国税庁より送られてきます。

最近はちょくちょく改正がありまして・・・・

今回送られてきた内容をチェックしていたら、「未婚のひとり親に対する税制上の措置」があるとのことで、細かく読んでいたのですが・・・・・

結論から言うと、ぱっと見、よくわからない。

相変わらず、税制は何をどうしたいのかよ分からない、煙に巻くような細かい制度を作って、一般の人には絶対に分からせないようにしてるんじゃないかと勘ぐりたくなる。

税制に関する文句 | なんだかなあと思う世界

日頃法人の税金についてかかわっていない方にはまったく知りえない話なんですが・・・・・ 普通の、事業主でないサラリーマンというと、毎年払う税金と言えば、 所得税(源泉されるからほとんど意識しない) 市民税、県民税(=住民税)(最近は会社での源泉をかなり厳しくチェックされるので、意識しない) 社会保険税(最近は社会保険料というより税金扱いっぽい、これも源泉されるからほとんど意識しない) …

ってなことは4年前にもこんな感じで言っているのですが・・・・・

そもそも「寡婦」と「寡夫」と「特別寡婦」という日本語だけでも意味が不明なのに、その上「ひとり親」って、意味が分かる人がいるんだろうか。

まず現状の把握。

複雑だなあ。

それがこうなる。

全体に間違えるとしか思えない。

新たな判定要素は、未婚ですかね。

結婚しないで、だから離婚していないで、子供を産んで育てている人をどうしても対象に加えたいんだということは何となく分かりますがね。

詳細な解説はこちらを参照ください。

税制改正で所得控除が変わる ~未婚のひとり親家庭への控除が適用~ | ファイナンシャルフィールド

2020(令和2)年度の税制改正では、婚姻歴や性別にかかわらず、「ひとり親控除」(控除額35万円)が適用されることになりました。これまで税の不公平感を抱いてきた未婚のシングルマザーにとって朗報といえます。 また、それ以外の寡婦については引き続き「寡婦(寡夫)控除」(控除額27万円)が適用されるものの、500万円以下という所得制限が設けられました。 …

「寡婦」と「寡夫」。
男と女分けるだけでも、最近の感覚的には逆行してると思う。
夫婦別姓にしようという議論が起こるくらいなのだから。男でも女でもいいんじゃないかと思うんだけれども。

既存の寡婦は何なんだ?
どうして離婚して収入が少ないと女の人は税額控除の対象になるのか?
男の人は控除にならないのか?
この辺の議論がはっきりなされているのだろうか?

そもそも論を言えば、結婚して子供を産まないで離婚をして収入が少ない人がどうして税制控除の対象になるのか?という問題はないのだろうか?

まあこうしたことをぐるぐるぐるぐる考えて行くと、何故、税制控除をしなければいけないのか?という根本的問題にいきつく。

現実社会では、人は押し並べて平等ではない。
はっきり明確になるのは、所得があるかないか、所得がいくらなのか、高いか低いのかということであり、その背景となる原因は人それぞれであり、それによって控除のあるなしが左右されるのが、そもそもおかしいのではないか?

例えば障害者控除があるけれども、障害者だといろいろ国から補助金が出たりする。
控除は、当然生活が苦しいとか、税金がそれだと高すぎて暮らせないとかいう問題で、控除するんだと思うけれども、だったら普通に税金をとって、足りない人にはお金を配ればいいのに、なぜかそうしない。

制度設計は簡単な方が間違いがない、簡単な方が分かりやすい、簡単な方が説明しやすい、等々様々なメリットがあるのに、なぜか日本の税制は毎年毎年複雑になって行く。

なんだかなあ。 

法律

Posted by ymo